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テスコンU-30にエントリーした話

初めまして。TeamSprit EXのQAエンジニアの田中です。
今回は、企業チームとしてテスコンU-30クラスにエントリーし、予選成果物を提出した所までで思ったことを書いていきます。

皆さんは、テスコンをご存知でしょうか?
私は正直、QAエンジニアの仕事に就いてからこの存在を知りました。
過去にもテスト業務はやっていましたが、webページの体裁やJavaScriptの動作確認といったテストしかやったことの無かった私にとっては未知なる世界そのものでした。

テスコンについて

テスト設計コンテスト(通称テスコン)とは、NPO法人ソフトウェアテスト技術振興協会が主催する、ソフトウェアテストの技術の向上と促進の機会を提供する場として開催されているコンテストのことです。
テスコンの目的は下記の通りです。(公式サイトより引用)

  • ソフトウェアテストを分析設計から行うことを周知し、ソフトウェアテストエンジニアに対する教育の機会を提供する
  • コンテストという形式をとることにより、ソフトウェアテストが創造的な作業であり、楽しいということを経験してもらい、若年層及び初級テストエンジニアからベテランテストエンジニアまでテストへの興味を高める
  • ソフトウェアテスト業界における技術開発を競技を通じ、促進する

コンテストには、OPENクラスとU-30クラスがあり、U-30クラスは30歳以下の方に限定されています。
OPENクラスは各地域予選を行い、優秀と認められたチームが決勝戦へ出場する権利を得ます。U-30クラスは書類による予選を行い、優秀と認められたチームが決勝戦へ出場する権利を得ます。
それぞれ指定のテストベースに対するテスト設計を行い、その優劣を競います。

エントリーに至った経緯

下記2点の経験を積むことができると、マネージャーからテスコンの紹介がありました。

  • テスト計画・テスト分析・テストアーキテクチャ設計など、若手メンバーが担当する機会が少ない領域の実戦経験
  • 若手メンバーのプロジェクト運営の経験

丁度チームスピリットのQAエンジニアで、30歳以下で入社歴が浅く、品質保証の知識・テスト経験も浅いメンバーが4人いたため、企業チームとしてU-30クラスにエントリーすることにしました。

チームメンバーについて

たちばなさん
 テスト経験:未経験(入社してからQAエンジニアに)
 前職ではSalesforceの導入支援をしていた。コードを書いた経験もある。
 意気込み:実践的なところを頑張りたい。

みきさん
 テスト経験:前職新卒で入ってテストをやっていた(約3年)
 意気込み:ちゃんとしたプロセスに沿ったテストはやったことがないので、やりきりたい。

かわにしさん
 テスト経験:未経験(入社してからQAエンジニアに)
 前職ではSaaSの開発者だった。Web開発の開発者テストは経験あり。
 意気込み:ちゃんとしたプロセスを経験して、実務に当てはめられる力をつけたい。 


 テスト経験:未経験に等しい(入社してからQAエンジニアに)
 前職はWebサイトの保守運用。画面系のテストは少ししていた。 
 意気込み:テストプロセスを経験したことが無く、テストの質を高める経験をして実務に活かせるよう色々チャレンジしたい。 

このように、入社時期と年齢が近いこと以外、バラバラな経歴を持つ4人でチームを組みました。

実施したこと

テスコンに臨むにあたり、私たちは下記のコンセプトを立てました。

  • テスコンを通し、テストプロセスを理解する
  • 得た知識を実際の業務に活かす

このコンセプトのもと、私たちは予選成果物作成に取り掛かりました。
予選の作業では、指定のテストベースに対して下記の基本的なテストプロセスを実施しました。

  • テスト計画
  • テスト要求分析
  • テストアーキテクチャ設計
  • テスト詳細設計
  • テスト実装

成果物作成をする中で、難しかったこと

進捗管理の課題

  • 初めてのことが多く、経験がないことで見積もりが緩くなってしまった。
    見積もりが上手くできない事で予定通りの進行が出来なくなり、スケジュール管理がうまくできなかった。

→ 進捗管理を見直し、分かりやすい形で可視化することで、作業が終わるかどうかを見通せるようになった。作業のアサインについて、スケジュールだけを見て割り振るのではなく、負荷も含めて作業のアサインは検討した方が良いと感じた。

PFDに色付けをして、進捗を可視化。

コミュニケーションの課題

  • コミュニケーションの場が最初のうちはミーティングのみだったため、進捗などがリアルタイムで把握することができなかった。

→ ミーティングの場だけでなく、チャットツールやドキュメント内でのコメント機能を活用することで、コミュニケーションが充実した。


テストプロセスに関する知識の不足

  • なぜそうした方がいいか、説明できるまで理解できていないと分かった。
  • モヤモヤ感を抱いたまま作業を進めることになり、チーム内の指針の認識にズレが生じる事があった。

→ 事前に引き出し(知識)を多く持っておくようにする。 説明できるか観点で復習する。


テストプロセスだけでなく、プロジェクト運営についても課題が多く、テスコンを通して様々な経験を得ることができました。
成果物作成中はなかなか課題に対しての悩みを解消しきれず、認識のズレが生じて成果物の見直しも発生し、ギリギリのスケジュールになってしまいました。

この活動で得た、業務に活かせそうなこと

作業やMTG開始前の入念な準備

  • ドキュメントの管理の認識を合わせておくと、作業が円滑に進められる。
  • MTG前に資料を準備し、話したいことを決めておくと、簡潔に共有がする事ができ円滑に進められる。

→ 今後、自分が業務でプロジェクトを運営する立場になった時に、どんな準備があると良いか知ることができた。


テスト観点の出し方、テスト設計の仕方

  • 普段の業務などを参考にしていたが、テスト対象が変わると大きく変わるということが分かった。
  • 今回、テスト観点についてよく議論をした。
  • 普段の業務で行なっている、アジャイル開発でのテストプロセスとの違いを感じた。

→ 今後はテスト観点をより多面的に出せるようになるだろう。さらに、一般的なテストプロセスでアジャイルでも必要なところ・逆に優先度が落ちるところ、についても考えていきたい。


テスト計画やテストアーキテクチャ設計の実戦経験

  • 普段の業務で経験していないため難しく、よく議論をした。
  • 今回できなかったことも多いが、今まで考える機会もなかったことを多く考えて調べた。

→ 今後の業務で、ヒントとなりそうな考え方に多く出会うことができた。

感想

初めてテスコンにエントリーしてみて、予選成果物一式を無事に提出できた事については喜ばしい事ですが、慣れない所が多々あり余裕のある進行ができたとは言えず、自分たちに課題が多くあることも実感しました。
私はこのテスコンを通して、改めてまだ知らなかったテスト技法や考え方といった、QAの奥深さを知ることができました。 この経験を今後のQAエンジニア人生に活かし、学び続けていこうと思います。

予選の結果はまだわかりませんが、今回企業チームとしてエントリーし、チームで成果物を作成しただけでも多くの学びがありました。
特に、テストプロセスについては実践経験を積めたことで理解が深まりました。
この経験・得た知識を実際の業務に活かしながら、これからも多くのことにチャレンジしていけるQAチームでありたいと思います。