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ISTQB Agile Testerを受験してみた

こんにちは。2021年12月からチームスピリットにQAエンジニアとして入社しました橘です。

ISTQBのAgile Testerに今月合格したので、受験までの流れや勉強方法について書いてみたいと思います。

ISTQB Agile Testerとは

まずそもそもISTQB Agile Testerとは何かについて。

ISTQB Foundation Level Agile Tester(以下Agile Tester)とは、ソフトウェアテストの国際的な資格認定団体ISTQB(International Software Testing Qualifications Board)による認定資格で、試験ではアジャイル開発の中でのテスト担当者の役割やアジャイル開発の知識について問われます。

受験には下位資格であるISTQB Foundation Level(以下FL)の合格が必要になります。

Agile Testerの受験方法

Agile Tester試験は2022年1月現在日本語での試験が提供されておらず英語での受験になりますが、日本のテストセンターで随時受験することができます。 以下受験方法になります。受験料は190ユーロ(約2万5000円)です。

※2022年1月時点での手順なので、今後変更がある可能性もあります。

  1. ISTQB試験の提供団体であるBrightestのSign inページでアカウントを作成します。
  2. 試験カタログからCTFL-AT: ISTQB® - Certified Tester Foundation Level - Agile Testerを検索して選択します。
  3. 試験の受験場所を聞かれるので、「At a test center」を選択します。
  4. 受験の際の言語を聞かれるので、「English」を選択します。
  5. training providerを選択し、re-sit(再試験)であるかどうかを回答します。training providerについては僕の場合は自習での受験だったので「No Training Provider (Self-Study)」を選択しました。
  6. Consecutive Appointments(連続して試験予約)をするかどうか聞かれるので、そのまま「Next」で次の画面に行きます。
  7. Admission PolicyやReschedule Policyなど諸々のポリシーが表示されるので、読んでから「Agree」で次の画面に行きます。
  8. 当日の受験場所であるテストセンターを選択します。東京の場合は新宿、池袋、秋葉原など各地のテストセンターを選択できます。
  9. 試験日と開始時間を選択します。カレンダー上で選択可能な日付と時間が表示されるので都合のいい日時を選択します。
  10. 申し込み内容を確認し、「Proceed to Checkout」で支払い画面に行きます。
  11. クレジットカードを選択し、各種情報を入力して支払いを行います。

Agile Testerの試験内容

https://www.istqb.org/certification-path-root/agile-tester.htmlのシラバスに沿って

  1. アジャイルソフトウェア開発
  2. アジャイルテストの基本的な原則、プラクティスおよびプロセス
  3. アジャイルテストの方法、技法、およびツール

の3分野から選択式の問題が40問出題され、65%(つまり26問)以上の正解で合格となります。

試験時間は60分です。なので1問あたり1分〜1分30秒で解答する必要があります。英語なのもあってあまり時間に余裕がありません。

※公式サイトによると英語が非母国語である場合は試験時間が15分追加されて75分に延長されますが、僕の受験の際はこの追加の15分が試験チュートリアルやアンケートに充てられていたようで、結局解答時間は60分でした。

なお試験終了後に紙でスコアレポートを受け取れるので試験結果はすぐに分かります。

Agile Testerの勉強方法

ここからはAgile Testerに受かるために自分がどのように勉強したかを書いていきたいと思います。

Agile Testerの試験勉強にあたって、以下のものを参考にしました。

勉強の方針としては、

  • 解説動画シリーズを見てシラバスを全体的に頭に入れる。
  • 動画視聴と並行して日本語版シラバスを読んだり、サンプル問題を解いたりする。
  • How to prepare and pass ISTQB® Agile Tester Extension Certification Examに書かれているExam Tipsを参考に特定の分野を重点的に学習したり、ネット上で用語を調べたりする。

という感じでした。

シラバスの内容は割と抽象的だったりするので、動画視聴中・シラバス読み込み中でも早い段階からサンプル問題を解き、さらにサンプル問題の解説も公開されているので解説もよく読んで理解を深めるようにしました。

試験勉強のTips

How to prepare and pass ISTQB® Agile Tester Extension Certification ExamのExam Tipsから今回の僕の受験で特に助けになったものをいくつか簡単に紹介します。

  • シラバスは3・4回は読んで理解する。試験ではシラバスにある用語や概念についてよく覚えて理解していないと解けない問題が出るため。
  • シラバスのアジャイルマニフェストは暗記する。
  • アジャイル開発のアプローチのうちスクラム・カンバン・XP(エクストリームプログラミング)について、たとえば選択肢のうちXPのプラクティスに含まれないものを選べといった形で出題される。そのためこれらのアプローチについて理解しておく必要がある。
  • 「早期かつ頻繁なフィードバック」および「ふりかえり」のメリットを理解する。
  • アジャイルテストの四象限について出題される。
  • テストピラミッドについて出題される。
  • シナリオが与えられ、適切なテストケースやテストアプローチ、テスト技法を選択する問題が出題される。
  • アジャイルチームにおけるテスト担当者の役割について出題される。

これらに加えて僕が気づいたことや必要だと思ったことを挙げると、

  • 試験勉強について
    • シラバスにある用語や概念については、シラバスだけでなくネット上の記事を読んだり、余裕があれば本を読んだりした方がいい。
    • 下位資格であるFLの内容を前提にした出題がよく見られる。
    • サンプル問題と全く同じ問題は出題されない。
    • アジャイルにおいてチーム全体アプローチ(whole-team approach)が重視されることを根拠に解答する問題が出題される。
    • プランニングポーカーのやり方や考え方について出題される。
  • 問題・試験形式について
    • 解答は1つ選ぶ場合だけでなく複数選ぶ場合もある。
    • 見直しをする時間があまり取れないので、なるべく1問に時間をかけすぎずテンポ良く次々と解答するようにする。
    • 選択肢の選ばせ方について表現が多彩なので、どのように指定されているのかに注意する。例:
      • TRUEなものを選ぶ
      • TRUEでないものを選ぶ
      • 最も期待されるもの(MOST expected)を選ぶ
      • 最も期待されないもの(LEAST expected)を選ぶ
    • onlyやdon't need toなどがある限定的だったり否定的・消極的だったりする選択肢は少し疑った方がいい。

といった感じです。

英語ではありますが、問題のほとんどはあまり長くなく解答もシンプルなものが多いため、勉強すれば受かりやすい試験なのではないかと思います。

参考にした記事・書籍

最後に、試験内容の個々のトピックを学習する上で参考にしたWeb記事や本を紹介したいと思います。

スクラム

SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 www.amazon.co.jp

ユーザーストーリー

アジャイル開発におけるユーザーストーリーとは?その目的や作成方法を紹介 https://crowd.itpropartners.com/pieceblog/4134

INVEST技法

ユーザーストーリーの”INVEST”とどう付き合うか https://guildworksblog.wordpress.com/2015/06/03/how_to_deal_with_invest_of_userstory/

アジャイルテストの四象限

アジャイルテストの4象限とテスト自動化のピラミッド https://notta55.hatenablog.com/entry/2015/05/03/161631

テストピラミッド

テストのピラミッドを開発者と一緒に眺めてみよう! https://dev.classmethod.jp/articles/testing_pyramid/

プランニングポーカー

みんなで見積もれ!アジャイルな見積もり手法「プランニングポーカー」のやり方 https://www.mof-mof.co.jp/blog/column/agile-estimation-planning-poker

以上、参考になれば幸いです。