自己紹介
こんにちは!開発チームエンジニアの水越です。
IT業界へキャリアチェンジして、今年でエンジニア歴3年目となりますが
2023年6月に基本情報技術者試験(FE)※を受験し、合格しました!
今回は2023年4月から新方式となった試験の傾向や学習方法について紹介したいと思います。
※ 情報処理技術者試験(FE)
「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験です。
新方式の変更点
2023年4月より新方式が採用されました。変更点は主に以下の4つです。
- 通年試験化
- IRT方式による採点
- 出題形式
- 出題範囲
1.通年試験化
これまで上期・下期の年2回決められた期間に実施されていた試験が、年間を通じてCBT方式※で受験できるようになりました。
※CBT方式
試験会場となるテストセンターに設置されたコンピュータを使用して実施する試験です。
2. IRT方式
IRT方式について調べると色々と難しく説明されていますが、簡単に言うと問題ごとの配点がなくなり、難易度に応じた評価点を算出する方式です。試験回ごとの難易度格差をなくす目的で採用されます。
また、評価点は科目A, B試験それぞれ1000点満点中、600点以上で合格となります。
3. 出題形式
試験名および問題数、試験時間に変更がありました。
【変更前】 【変更後】
午前試験(80問,150分) → 科目A(60問, 90分)
午後試験(11問中5問選択, 150分) → 科目B(20問, 100分)
4. 出題範囲
- 科目A:変更なし
- 科目B:
- 選択問題が廃止され、旧午後試験にも出題されていた「情報セキュリティ」と「データ構造及びアルゴリズム(擬似言語)」の二つの分野を中心にした構成に変更
- 個別プログラム言語(C、Java、表計算ソフトなど)から擬似言語による出題に変更
- 出題割合は「アルゴリズムとプログラミング」が8割、「情報セキュリティ」が2割
1のIRT方式については評価方法の変更のため、特に受験者が気にする必要は無いと思います。(実際、私も何も気にしていませんでした。)
しかし、2,3の出題形式や範囲については新方式を想定して対策することで、合格に近づくことができたと感じたので、以下で詳しく説明したいと思います。
試験対策の進め方
学習の流れ
大まかですが、以下の流れで学習しました。
- 全体像の把握
- 参考書の読了&例題を解く(完璧でなくても良いので、一通り終える)
- 出題範囲が広いので、参考書を一通り実施することで全体像を把握しました
- 科目A対策
- 過去問道場で旧午前試験の過去問を解く
- 復習
- 間違えたところを参考書で確認
- 科目B対策
- サンプル問題を眺め、なんとなくでいいので傾向を確認する。このタイミングでは解かないこと!
- 科目Aの演習で5-6割程度取れるくらいになったら科目Aと並行して科目B対策開始
- 私の場合、平日に科目Aを学習し、まとまった時間が取れる土日に科目Bの演習をしました
- 補強
- 分野や試験回を指定して出題する機能を活用して、苦手分野を集中的に演習する(下記図参照)
- 予想問題集を解く
- 実際の試験と同じ時間で科目A,Bのサンプル問題を解く
分野と試験回を指定する方法
科目A対策
科目Aに関しては出題範囲の変更は無いため、過去問とサンプル問題を中心に演習しました。
- 過去問道場
- 平成27年秋期〜令和元年秋期くらいまでの約5年分を実施しました。
- 予想問題(A科目)
- 過去問と異なり、本番同様の問題数で出題されるため、60分で解き切ることを意識して演習を行いました。
- サンプル問題
- 試験直前に、本番と同じ時間配分で問題を解きました。
- 本番形式に対応した貴重な問題のため、試験前に解くのが良いと思います。
科目B対策
科目Bに関しては、形式が大きく変わりましたが、問題を解くための基礎的なスキルは過去問で身につけることができます。
- 過去問
- 「情報セキュリティ」、「データ構造及びアルゴリズム」の2分野に絞り過去8回分を実施。
- 最初は試験時間を意識せずに、じっくり時間をかけて解きました。
- 予想問題
- 過去問ベースではあるものの難易度が高く自信を失いかけましたが、本番よりも難しく作られていた問題集みたいです。
- 予想問題で直前に演習した内容と似た問題が本番でも出題されたので結果的にやって良かったと思っています。
- サンプル問題
- 対策前はぼんやり眺めて、傾向を把握しました。
- 試験直前に本番と同じ時間で演習することで、本番の出題形式の雰囲気や難易度を掴むことができました。
【ポイント】
科目A,Bの演習で間違えたところだけでなく、間違えた問題と同じ分野の重要そうな内容についても同時に理解・整理するよう心掛けました。
例えば、TCP/IPプロトコルの問題で間違えたら、TCP/IPだけでなくOSI基本参照モデルと紐づけて表にまとめたりすることで関連する分野の理解を深めることができました。
学習に使用した教材
実際に活用した教材などを紹介します。
1. 参考書
令和04年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室
現在は令和5年版が出ているみたいです。
令和05年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室
2. 過去問道場
参考書の学習が終わった後、本格的に取り組みました。
無料で利用でき、解説もしっかりしています。さらに、試験回や分野でフィルターなどの便利な機能付きです。
3. サンプル問題
新方式に対応した貴重なサンプル問題です。
特に、私の受験した5月ごろはB科目の情報は少なかったので、サンプル問題で出題形式や問題の傾向を確認しました。
4. Youtube
参考書でいまいち頭に入ってこない内容や苦手な分野の補助として利用しました。
また、通勤時などのスキマ時間にも活用していました。
注意点としては、古い情報の動画でないか?情報が誤っていないのか?精査は必要かと思います。
5. 予想問題集
主に科目Bの対策として購入しました。
難易度高めでしたがアルゴリズム問題の良い練習になりました。
令和05年【上期】基本情報技術者 パーフェクトラーニング予想問題集
※こちらも最新版が出ています。
令和05年【下期】基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集
受験後の感想
科目Aは、やや傾向が変わっている問題も出題されていた印象でしたが、基本的に過去問を中心とした対策で問題なく合格点に達することができました。
やはり、時間配分を意識して対策したこと、間違えた問題だけでなく関連する重要な内容についても整理していたのが良かったと感じています。
科目Bは苦手意識もあった分、入念に対策したおかげで満点をとることができました!
試験形式はサンプル問題と同じで、旧来の午後試験と比べて、各問題が短くなったことから、個人的には解きやすく感じました。学習を始めたときは新方式に合わせた過去問がなく、どう対策すべきか悩んでいましたが、科目Aと同様に、過去問や予想問題を活用してアルゴリズム処理のトレースを練習したことで新方式にも対応できるようになったと実感しています。
今回の資格取得に向けた学習により、ITに関する基本的な知識を幅広く習得することができました。これからの業務にも活かして行きたいと思います。